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スカンジナビヤの旅(8)

スカンジナビヤの旅(8)ヘルシンキ11;25~IVARO 3;00時着
7月25日(金)
7時15分頃食堂に降りたら竹澤君も来ていた。彼はもう一日ヘルシンキにいて、今日タンペレに行くらしい。僕はIVAROに発つために9時に空港に着かねばならないから、タクシーにするので駅まで乗るように誘った。彼は三井住友海上に就職が決まっているらしいから、おそらく、今回のような長い旅はもうとれないだろう。大いに楽しんでおくように、そして仕事はどんなところでも同じだから、新人の心得などを参考までに食事しながら話ておいた。自分自身の尊厳を大切にすることと自分の優れた点を自分だけの秘密として2000ぐらい書くように薦めた。それが自己発見であり、それが自分の尊厳と思ったらよい。それが5月病を克服する力になる。そんなことを話たら、やってみるとのことだった。
 駅で竹澤君を降ろし、空港に着いたら、9時の大分前だったので、11時25分までパソコンでホームページに書き込もうと思ったら、パソコンのコードが無い、恐らくホテルに忘れてきたのだろう。一応全部部屋は整理した積もりだったのだが、ベッドの下にでも落ちていたのかもしれない。今朝も使ったのだから。だからホームページの書き込みが出来なくなった。また大失敗をしでかしてしまった。
空港でもパソコン店はあったが、Yahooの日本語が出来ないから、パソコンは全て使えなくなってしまった。自分に情けなくなる。
荷物預けと搭乗券を頼んだら座席は自由とのことだ。早い人が好きな席を選べるというのだから、こんなことは日本のローカル線でも経験がない。あまり乗客がいないか、国民性なのか、それにしても万一事故でもあったら確認が出来ないのはどうする積もりなのだろう。
ヘルシンキ空港で2時間も待って、搭乗しようとしたら搭乗券が見当たらない。どこを探しても無いから、さっきパンフなどをゴミ箱に捨てた中にまぎれこんでいるのではないか、とゴミ箱を開けようとしても開かない。もう僕の他はゲートを入ってしまっている。ここの搭乗券は無く、僕の日本からの予約表を見せるだけだったので、あれには、今後の飛行機の全ての予約が入っているのだ。空港職員にゴミ箱を開いてもらうしかない、と思っていると、職員がトイレの前で僕の搭乗券を拾いあげて、「これを探しているのではないですか?」と持ってきてくれた。もう必死だったのに。何故搭乗券を落としたのだろう。どうも思い当たることがない。これが無ければ、帰国もできないので、危機一髪で救われたことになる。
 今日はこれで二つもトラブルを起こしてしまった。土井先生が「旅行はトラブルです」といっていられるが、まさに僕のことを言っている言葉のようだ。だけどもこんな言葉があるというのは、僕だけではないのだろう、と自分を慰めている。
 家に話せば「皆からそれみたことか」と一斉に僕のいつもの不注意を非難されることだろう。だが注意していてもトラブルとは起こるからトラブルなのである。
 IVEROには予定通り13:00に着いた。ここは原野の中に空港だけあるといったところで周囲には建物が全然ない。案内所でホテルを聞いたら、この近くには無いという。日本からの出発の時、信顕も調べてくれたが、無いとは解かっていたが、ホテルのある街までだとタクシーしかないという。それが料金も70ユーロかかるというのである。バスがあったが、僕が話している間に出ていってしまった。仕方ないタクシーを呼んでもらうことにした。
間もなく来たタクシーに、「近くに安くて泊まれるところは無いだろうか?」と聞いたら「ペンションだったらある、そこまでだったら18ユーロで行ける」とのことだから、それに決めた。
15分ほどで着いたところは原野みたいな林の中に30棟ばかりの木造がポツポツと建っている。事務所も同じ木造だ。幼児などが事務所にいたから、この家に泊めてくれるのかな、と思っていたら、ちゃんと戸建の部屋に案内してくれた。僕はもう、今夜泊まれたらどんな所でもいいと思っていたが、個室でありベッドが二つ、キッチン、トイレ、シャワー、それに暖房設備、テレビまである。この国は北極圏だから暖房は必需品であろう。夜になったら入れなさいと言ってくれた。
勿論食事は無いが、これで35ユーロというから安いと思う。食料品については2キロ離れたところにスーパーがあるという。自分の弟に車で送らせてやると言ってくれた。ペンションだからここに来る人は皆車で来る人ばかりだから、僕には特別のはからいであるようだ。
宿帳に記帳したら、「私の父と同じ歳だ」と親しみの表情を示してくれた。これで段々気持ちが落ち着きすっかり安堵の気持ちになる。だけどもこの婦人はえらく老けて見え、最初は60歳を過ぎてるのではないかとさえ見えた。人里離れていて化粧をしていなかったらこんなに老けるものかとわが子と同じぐらいなのに違うものだ。
いずれにしても、泊まれる所が見つかり、やれやれだ。問題は明日どうやってノールウエーまで行くかだが、一応タクシーの電話は聞いてあった。
 弟さんにスーパーまで送ってもらい、今夜と明日朝のために、鳥の足丸焼き、ハム、パン、牛乳、トマト、ヨーグルト、それにビール大2缶買った。これで3時になったが、することが無いから、近所を散歩したら、すぐ前に大きな川があり、その向こう岸にトナカイの群れ10頭ばかりが寝そべっている。野生だ。敵の襲来が分るようにだろう砂の見通しのよいところに集まっている。全部角が頭から枯れ木の枝のようなのばかりである。サンタクロースがソリを引かせているあれだ。
こんなに野生が近くにいるものだろうか。
スーパーでビールと思って買ったのを飲んでみると、甘いからジンジャヤエールであろうか。後で酔いがまわってきたから、アルコールには違いない。
CDのオーケストラーを掛けっぱなしに5時に眠った。次は9時半に目覚めて、外を見たら車が5~6台それぞれのペンションに停まっている。
夕食は、鳥の足やトマト、パンで済ます。森光子体操を済ましてまた眠る。次に目覚めたのが12時半だ。だが外は明るく、本が読めるくらいである。これが白夜というものらしい。一晩中太陽は見えないがその光だから闇にはならないのだ。これで太陽の沈まない国の初夜を迎えたというわけだ。
佳子からメールが入っていて、「宿探しが大変だったようで、次に行く時はもっと調べておくべきね、今日はきあらちゃんのピアノの発表会だったけど上手にできました、今皆で食事してるところです、明日は高知の四万十川に行くそうです」とのことだ。だから由希さんに「きあらちゃんのピアノ上手だったらしいね、のんのが喜んでいたと伝えてください」とメールしておいた。
佳子には「パソコンの線を忘れたから、当分日記が送れません」と入れておいた。

by akinishi1122 | 2008-08-02 01:19 | 旅行

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