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(24)2012年8月10日スイス・ヨーロッパの旅(24)
オーストリヤ・ウイーンの一日

ウイーンに着いたのが朝7時30分だった。ホテルは顕がなるだけ駅に近い、そして繁華街のところを選んでくれていた。インフォーメイションで薫が聞いたら地下鉄で4つめというし、荷物があるから、タクシーにした。
今回の行動は全て薫に任せることにするつもりでいる。10歳のきあらの体調を第一に考えるのはやはり女性でなければきずかないし、子供の関心事は僕が見せたいと思うのとはだいぶ違うこともあると思うから。
スイスの家を出る時、「もっとここの家にいたい、動きたくない」と言ったというから、僕らが考える、もっともっとみせるべき処を見せたい。というよりも、今、友達になったIVANAやERENAともっと遊んでいたいというのがきあらにとっては関心事のようだ。
大人のように(お世話になるというよりも新しい国の新しい友達と遊ぶ楽しみから離れることの寂しさ)が重要なようである。IBANAにしても、教会に姉がいくのに自分はきあらと遊ぶことを選んで一緒に遊んでいる。
大人たちが考える(せっかく、来たのだから)という考えは大人が考えることで、子供は「今の友達、今の楽しみ」というのが一番大事なのだと教えられた。ドイツ語が分からなくても子供はそれで友達になれるものだ。
なんでも大人の先を考えた提案をしたがることを反省しなければならない。
寝台車では良く眠れたようだが、朝食がでたのは食べたくないと食べないでいる。
タクシーで10分ぐらいでホテルに着いた。ウイーンの街の中心だから、中世期では一時オーストリヤ帝国が今のドイツ、フランスなどを支配していたほど古い国の中心地だから、建物は古いし、石の建物が連なった建物だし、建物と建物の間の路地も石畳である。その中のホテルだから、外見の派手さがない。外装は変化させない政策で16世紀の建物を保護することで誇りを保つ現在の政府の政策とみてよいだろう。
中に入れば近代的な仕上げの内装だが、部屋の天井が高い。現代の建築では一般的に2,5mから2,7mというのが近代建築の基準になっているが、ここはむかしのままで4,5mぐらいの天井の高さはあるだろう。そして部屋の周囲から天井にすこしカーブの額縁になっているから、圧迫感がない。
3人部屋で広々としているが、ここはクーラーが無く、扇風機が1台あるから、少し暑い気がする。扇風機が動かないが、とフロントに言ったら、夕方になるいと窓を開けたら涼しくなるからいらないだろう。と薫にいったという。朝の8時ぐらいに着いたので荷物だけ預けて観光にでた。 
僕は議事堂やオペラ劇場、公園など記憶が少し戻ったが、薫が案内ブックを見て歩いているから、その後について歩くことにする。記憶よりブックが正確だからだ。
公園のモーツワルト像ぐらいまでは案内できたが後の道順は薫にまかせた。きあらはモツワルトよりも、その像の前の楽譜のシャープの文字を花で型どった果断の方が、ピアノをやっているから、それが身近に感じるのだ。まだ作曲家よりもピアノ練習のときの楽譜の花壇が注意をひくのである。
2時間ほど歩いてまわったら、ホテルの近くに戻って来たので僕ときあらはホテルのロビーで休憩し、薫にホテルのテエクインの時間まで街の様子を調べてきてもらうことにした。
僕はその間に昨日の日記、きあらは、もってきたゲーム機で遊んで時間をすごすことになった。
2時にチエックインを済ませ、昼食に出る。寿司の店を見つけきたというので、そこで寿司を思いきりたべる。
午後はメインの繁華街をあるく、15mぐらいの道幅が追い越せないくらいの人混である。街頭でのパントマイムをきあらは喜んでいる。結構人々がお金を入れるものだ。3年前、日本の音楽大学女子学生が琴の小型化したのを持ってローマで演奏していたのを応援かたがた見たことがあったが、たくさんの通行人がお金を帽子に投げこんでくれていたのを見て、生きていくためには、こんな方法もあるものだ、と庶民の街頭演技者への暖かい援助の心があるものだ、と感心したことがあったが、これもひとつの文化としてあるのであろう。いいものだ。日本ではまだこれほど普及はしてていないが、いずれ普及する日もあるであろう。
路面電車にのり郊外にまわったが、ドナウ川沿いをゆっくりとはしる。24時間のフリーチケットだから、明日のベネチュア行きの時間まで使える。
街を歩くのは疲れた。きあらは大林のおばあちゃんや、のんなばあちゃんに絵葉書を買って今夜書くという。
疲れて早く寝たから12時に目覚め「文学」の7月号の「闇の口」高橋英男を読み終えた。
今回の東北大震災の福島原発に勤務している夫(総務課長)と、保育園の保母をしている房子の、夫婦の立場、原発の当事者との心の葛藤を描いた優れた作品である。
立場によって市民感情と、仕事上で、早く家族を避難させるべきか、避難さすことで世間の批判を恐れることの葛藤。原子力技術者の家族はその放射能の怖さを知っているためか、早々に家族を避難させる姿、など、危機にさいしておそらくありうるだろうことがリアルに伝わってくる作品である。
文学会にはいり、これらの人々とやがて親しく言葉を交わすことができるだろうと思うと楽しみができた。

by akinishi1122 | 2012-08-27 02:53 | 旅行

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