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2011年8月10日 留学とドイツ、フランスの旅(21)
「文学阪神」の槇村氏の評論「歴史の中のロマン・ロラン」を2回読み終えた。「ジャン・クリストフ」も「魅せられる魂」も読んでなかったが、こんな良い問題提起のある小説とは知らなかった。もし来る前にこの評論を読んでいたら持ってきたのだった。第1時大戦,第2次大戦に対して、文学者として世界に戦争の本質を文学者の立場から告発したというし、その良心的な発言がアインシュタインやゴーリキー、アラゴンなどとともに戦争防止への努力された存在でどれだけのひとが、反戦の心を維持し続けたかという心の支柱になった人であったという。革命後のソビエトも訪問し、ジイドとともにソビエトの実情を世界に好意的に紹介したらしい。そのことは日本の戦時下でも読めただろうから、恐怖政治が吹きまくる中で相当の知識人の励ましになったのだろうと思う。
ロランの立場は「たとえロシヤ革命の誤りが、愚かさが、そしてしばしば罪悪さえもが、いかなるものであったにしろ、ロシヤ革命は、近代ヨーロッパの最大、最強かつもっとも豊かな社会的努力を表わしているのです」といっている。
ジイドの「ソビエト訪問記」はロランと少し違ってスターリンの独裁を見抜き50年後のソビエト社会の崩壊を予言的に述べているという。
いずれにしても槇村氏の膨大な読書でロランを分析していることに感激している。この様な研究者をわが阪神支部に持っていることは幸せであり、今後いろいろ指導いただきたい先輩である。
また同じ「文学阪神」の中桐さんからメールがきて、僕のこの前の例会での「会いたくなる人」の即席短編に感想をいただいたのと、旅日記でドイツの老人との会話についての暖かい感想をいただいて嬉しくおもった。
中桐氏はまだ時々阪大研究室に行かれているようだが、重い病をもちながら文学阪神でもお世話をいただいていていつまでも健康でご指導を願いたい人である。
今日は帰りにビールを4本買ってかえり、ホストファザーと飲んだ。マザーはもと看護婦だったということで、自分の健康や僕らのことも考えて料理もしてくれ、血圧計や血液検査器具で自分で健康管理しているようだ。
今日は子猫を息子が貰って届けてくれたようで、孫が名前を「ポピー」とつけたらしい。僕が飼っていた犬の名前と偶然一緒なので僕のポピーのことを想い出している。

ロラン読む早寝床の良夜かな  ロランの評論を2度も読みあえした

by akinishi1122 | 2011-08-11 16:31 | 旅行

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