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ワンワールド世界旅行(5)

ワンワールド世界旅行(5)
1月25日(金)ケープタウンへ
昨夜7時には寝た。時差ぼけで眠たくなったし、早かったので目覚めたのが2時だった。昨日の日記をパソコンに打ち終わったら4時になっていた。
一人の部屋だから電気をつけても気遣いない。携帯に信顕と理香から僕の昨日のメールを見たとの返事がきていた。
4時からまた眠りにつき次に目覚めたのが6時半だった。マスターが8時に空港まで送るといってくれていたので、それまでに今日持って行く荷物の整理をしておかねばならない。朝食を一人で済まし、整理にかかっているとすぐ8時になった。もう8時の車の人は出ていってしまったから慌てたが、やがてマスターが帰ってきて僕の出発時間をみて、まだ十分時間はあるというし、それからケープタウンのホテルの予約もしてくれた。空港からの近くで、到着したら僕を迎えに出てくれているらしい。2日間の予約したが、料金もこのホテル並とのことで安心した。送ってくれたので感謝の気持ちでチップを30ランド渡した。タクシーを頼んだら80ランドするのだからこれでも安い。帰りも電話したら迎えに来てくれるとのことだ。昨日の宿泊代を支払おうとしたら140でいいという。僕はスーパーで50ランドぐらい買ったのだがマスターが全部支払ってくれたのにそんなに安くていいのだろうか。
空港で帰りの予約を1人日延長の変更を頼んだら、日曜だからなかなか無いという。時間も違うし追加で840ランドかかるというから、予定通り明日帰るようだ。自分の名前が頭文字が違えば急ぐ時などでは見過ごすかもしれない。これが漢字であればそんな間違いはおこりにくいのだが、文化の違いがこんなとこにもでてくる。
ケープタウンへの出発は10時15分の予定が10時55分と遅れた。隣には女性でケープタウン大学教授でいまヨハネスブルグでの研究会に来た帰りだという。教育学部の教授という、「僕は第2次世界大戦の終了時10歳で勉強は出来なかったし、戦後は食べる物が無くて勉強などした記憶が無いので教育と聞けばコンプレックスを感じる、だからあの時の知識欲をいま少しでも取り返したいために英語や歴史などを読んでいる」と話したら、「教育というのは、若いからやるというものでなく、生きている間はいつまでも知識欲があるのが人間です、だからその気になれば誰でも、その瞬間から学べるし、やる気持ちになれば死ぬまで知識と意欲はでるものなのですよ」と言ってくれた。有り難い言葉で嬉しくなる。
2月号の「民主文学誌」を持ってきたので、短編の「レモン」というのを読んだ。大学を出て契約社員になっている男女の同窓会の帰りの話だが、男女とも好意を持っていながら、好きであることを表現できないし、「今度合う時には本心を話すことができたらいいね」と言って別れていくという筋書きである。文学というのは直接の言葉を使わなくて、使えない心を表現することで読者に考えさせるものだなと感じた。これは俳句にも言えることで心の深みができるように思う。
ケープタウンでは出口で「MOBUTOSHI」と書いた紙を掲げてくれていたから、一度は通りすぎて、もう一度読み返したら、NとMが違っている。電話での聞き違いだったものだ。
空港からホテルまでは20Kぐらいは走ったと思う。なかなか良いホテルである。下車するとチップを請求するから、ホテルの社員でないことが分かる。チップだからと20ランドを渡したら、少ないという。「140ランドくれ」というから「そんなに金は無い」といったら、ホテルでチエンジしなさいというではないか。そして着いたホテルも「いくらなのか?」とドライバーに聞いているところをみると、あきらかにホテルと契約している白タクのようだ。
ホテルにはプールもあり、パブもある、部屋には6人部屋で二人の女性が昼寝しているから、前からの宿泊らしい。パブで昼食はサンドイッチとビールですます。
市内観光バスをホテルで予約し、支払いが100ランドで、ほぼ一周する地図をもらった。素晴らしい海岸と山が聳えているから、観光客が集まるはずだ。街には地中海沿岸のような、白亜の建物が段々と山の中腹まで建っていて、雲のない太陽が白壁を輝かせている。飛行機から見ていると郊外には大きな庭がある緑の中に建物がある集団の高級住宅地が相当広い範囲にわたっている。いわゆるアパルトトヘイト地域なのだろう。それとは別にコンテナハウスのようで屋根、壁などすべてトタンでテレビのアンテナも電線の引き込みもないましてテレビもない無宿者といわれる集団が空港の近くや、オフィス街の周辺に密集している。これが、いわゆる米国流の新自由主義の結末のようだ。「強者はより強く」「敗者は努力不足」という烙印を押される新自由主義格差社会の未来の姿を見た思いだ。
ホテルはYHで6人部屋、オランダの若い女性、オーストラリアの大学男性、ニュージランドの男子大学生である。僕は9時に寝たから彼らはまだ深夜まで起きていたに違いない。

by akinishi1122 | 2010-09-30 20:53

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