9条の会 音楽評論家
2010年 09月 25日
第1回 日下部吉彦さん(音楽評論家 呼びかけ人・関西代表)
講演などに呼ばれていったとき、本題に入る前に会場に向って私は必ず、こう問いかける。
「このごろのテレビ、面白いですか?」
それに対して返ってくる答えは、きまって「面白うなーい!」の大合唱。
出てくる顔が決まっている。どのチャンネルに回しても、必ず何か食べている。タレント
の女の子のせりふは3つしかない。「おいしーい」「すごーい」「ウソー!」要するに、ワ
ン・パターン。
さらに、近ごろのはやりは、政治ネタの「ショウ化」。ここでもお決まりの政治家や評
論家らが出演していて、互いに怒鳴り合う。討論なんてものではまるでなくて、声の大き
いものが勝ち。そして、なぜか「笑い声」(テープ出し)が入る。
政治や社会ネタを娯楽番組にすることは、必ずしも悪いことではないが、問題はそのや
り方。事件の本質とは無関係の「バトル」で、つまらないギャグで番組は終了。
小泉前総理によって、政治は「ショウ」になったが、その視聴率通りに選挙結果が出る。
国民は、メディアによって、完全に踊らされているのだ。踊る国民が悪いともいえるが、
政治まで視聴率化させてしまうメディアの責任は、もっと大きい。
そういうわけで、最近は、地上波テレビを全く見なくなった私だが、テレビに対するブ
ーイングの声を、もっと上げるべきだと思う。
昨年あたりから、急速に盛り上がっている「九条の会」の動きなども、地上波では全く
報じない。やむを得ず私たちは、自らのホームページによって、広く同志に呼びかけるこ
とにした。
「音楽・九条の会」は、昨年(2006年)1月26日、大阪いずみホールで「旗上げコンサ
ート」を開いて以来、その賛同者の総数は、全国で2800人を超えた。今年中には1万人を
超えさせたいと念願している。
by akinishi1122 | 2010-09-25 13:38 | 九条の会