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ナポリ

ヨーロッパかけある記(53)
9月2日(日)ナポリへ
ホテルの朝食後すぐ出た。神戸大学のY君と一緒だ。10時40分発ナポリ行きと日大のIM子が言っていたが、同じ列車だから、先に行き、列車の確認することにした。Y君は、今日から夜行でスイスに行くという。僕が良いと思ったマッターホルン、ルッチエルン、ライン瀑布などで、僕のスイスの案内本の全ページをプレゼントしておいた。彼が水の大型ボトルに、日本茶のパックを入れていると教えてくれたので、これは良い方法だと僕も早速実行した。
列車に乗ったら、M子も隣の車両に乗っていたから移った。彼女は、創価学会員で、祖父母がそうだったから、自然に入信したという。選挙の時は一生懸命活動するらしく、僕に「松たかこ議員を知っていますか?」と、しきりに議員の実績とやらを話してくれた。「日中国交回復が出来たのは、池田大作先生がコキントウ首相と相談して、田中首相を動かしたのですよ」と説明してくれる。創価学会の内部教育というのの実態を知る事が出来。面白かった。
 たしか、田中首相と国交回復の調印したのは、周恩来首相ではなかったかと思うのだが、彼女は現在の中国の首相と混同しているし、池田大作氏が中国との国交回復したと本当に信じているようである。
 宗教の内部教育というものを初めて知り、この人たちが、選挙になると上からの間違った知識で、力をだすのだから、気味がわるくなった。
ナポリに着いたら、明日の行動計画を立てねばならない。13時25分に着く、弁当はホテルで買ったパン、ヨーグルト、卵などで駅のベンチで済ます。ギリシャに行くために、バリの港へ行く時間を調べてもらったら、明日朝8時17分、8時55分があり、途中の乗り換えがあり、大方6時間かかることがわかる。スイスのバリが船の時間を調べてくれたのをみると、バリ港発が、夜の22時になっているから、バリ市内周辺の観光も出来るかもしれない。
これで計画は出来た、船賃が150ユーロかかることもバリが調べてくれていたから、お金を出しておかねばならないから、駅にあるキャッシャー機で引き出そうとしたら、何回しても現金が出ない、日曜だからなのだろうか、だがほかの人はそれぞれ引き出している。これは困ったぞ、現金が出ない、となると、ギリシャ行きの計画が狂ってくる。市内観光バスが出ていないか、と英語で聞くのだが、どうも「shighteesig bus」という言葉が通じない。
イタリア語で何と言うのか知らないし、兎に角ホテルに行くことにした。地下鉄に乗り4ツ目Mergelloina駅で降りたら、すぐ裏であり判り易かった。幸いに一人部屋があり、22ユーロであった。暑かったから、シャワーを浴び、2階窓から、下を見たら、姫路の花岡一家がホテルに入るところだった。後で聞いたら、ポンペイの観光を済ましてきたらしい。僕でもそんな時間が取れたのを知ったが、明日の時間を調べていたから、とれなかったことになる。
 夕食は、7時30分というから、海岸へ向かったら、5分ほどで港に着いた。ナポリ港は素晴らしい景色だ。ヨットがいっぱい繋がれていて、湾の向こうには、バスビオスの山や、連峰が見え、こちらの丘には、白とレンガ色の綺麗な家並みが急斜面に段々と建てられている。来てよかった。ナポリ中央駅はあまり綺麗ではなかったが、リゾート地は僕のホテルの周辺だから良いところに来た。
突堤まで歩いて、「対岸の山のどれがバスビオス火山ですか?」と女性に聞いたら、なんと日本語で返事が返ってくるではないか。白人で50歳ぐらいの人である。ナポリのアジア東洋大学の教授で、東京大學に留学していたらしい。専攻は中国、朝鮮、日本の16世紀の歴史と文化を研究し、学生にも教えているという。僕が「先日ヴァチカンに行き、日本の遣欧少年使節団が1680年代にここに来て、直接文化に接したから、感慨深かった」と説明したら、彼女が「少年使節団が来たのは、1582年でしたし、正確には1612年にも来たのですよ」と訂正までしてくれて教えてくれた。
「日本の鎖国制度というのは、私は、完全な鎖国と見ないのですよ」、と自分の見解を持っているようだ。本当に16世紀の日本をよく知っているのに驚いた。長崎の平戸、島原、天草にも行って調査をしたことがあるらしい。そして島原の乱の遺跡発掘にも少々たずさわったというのだ。大感激だ。「隠れキリシタン」の天草についても知っているし、「貴女の研究に役立てば、天草に関するキリスト教や16世紀の天草や日本の状況の資料を送りますよ」と言ったら、大変喜んでくれた。そして、大學の研究室や自分のメールアドレスも書いてくれた。この先生のもとに、毎年、東洋史を学ぶ学生が150人いるというから、僕も手伝いができたら嬉しい。彼女が、明日天気がよければ、「海のメトロ」といわれる対岸を是非廻ってみてください。景色が素晴らしいから。と推薦してくれたから、一日延ばす気になった。日本にもしばしば来るというから、是非家にも来てくれたら、関西を案内しますよと招待しておいた。東京大學の日本歴史の教授は自分が留学していた頃の同級生が多いらしい。
夕食していたら、姫路の花岡婦人がきて「今日はノブさん見えないね、と食事しながら話していたんですよ」と話に来てくれた。明日ローマから日本に帰るという。

by akinishi1122 | 2010-06-29 07:35 | 旅行

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