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9条は非現実的か?


 2 九条は非現実的か 

 憲法がめざす国際貢献

・・・・国際的な軍事活動にはいくつかの種類がありますが、憲法に従うかぎり、いずれの活動にも、日本は「軍隊」として参加することができません。ちなみに国内では「軍隊ではない」とされている自衛隊も、国際法上は「軍隊」として扱われます。たとえば自衛隊員が業務のために乗った旅客機は「民間機」ではないので、相手国からは当然攻撃の対象にされます。

 自衛隊が国際法上は軍隊として扱われることは、政府の見解でもあり、そのため以前は「自衛隊の海外派遣はできない」とされていました。それが現在では、「武力行使と一体にならなければ海外に自衛隊を派遣することも可能」「多国籍軍への協力も可能」という見解に変わっています。

 そもそものきっかけは、1990年の湾岸戦争でした。日本は巨額の資金提供によって多国籍軍を支援したものの、「金だけ出して人を出さない」といわれて、あまり感謝されませんでした。これを残念に思った人たちが、自衛隊を海外に派遣できるように整備したのが、九二年に成立したPKO協力法です。この法律によって、自衛隊はカンボジア暫定行政機構に参加しています。

 ただしPKO協力法は、あくまでも紛争当事者間で停戦が合意されている地域への派遣だけを認めるものでした。ところが2001年、米国で発生した9・11テロ事件を受けて、さらに踏み込んだ内容の法律が成立します。それが「テロ対策特別措置法」で、当事者間の停戦合意のみならず、国連決議も不要、たとえ戦争中であっても、後方支援ならば派遣できるという内容でした。これによって、自衛隊は、物資の空輸や洋上での燃料補給などの後方支援を行い、アメリカから「日本が戦後初めて現在進行中の戦闘行為に協力した」と高く評価されました。

 こうした活動は、たとえばNATO(北大西洋条約機構)が集団的自衛権の名のもとにやっていることと同じです。それを日本は、テロ対策特別措置法によって可能にしました。事実上、集団的自衛権の行使に道を開いたという意味で、この法律は大きな転換点になったといえます

by akinishi1122 | 2010-06-06 07:27 | 九条の会

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