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フランス・スペインの旅(

フランス・スペインの旅(11)2月11日 ベルサイユ宮殿
ベルサイユ宮殿には25年前に来たことがあるが、ツアーだったために印象があまり残っていない。今日は時間をとってじっくりみてみたいと思いでかけた。
地下鉄だが50分かかるというのにいつもの回数券で乗車することができた。昨日ホテルの支払したので両替をするために駅の近くの銀行を探したのだが、10分ぐらい歩かねば銀行は無いという。ところが着いてみると「うちは両替しません、外のマシーンで換えてください」というのだ。それだったらわざここまで来る必要はなかったのに無駄足だった。
なんでも念には念を入れて聞かねばならないのか。でも自分の想定できること自体が限られているのだから、やはり慣れることしかないのだなと思う。
ベルサイユ宮殿に着いた。やはり一度来たことのあるが、また来てみると蘇るもので人間の頭というものはたいしたものだ。
入場門、庭園の広さ、などはやり記憶に残っていて、日本の庭園とは違い自然の樹木でなく散髪屋みたいに刈りこんである。日本の山水庭園との違いを強烈に感じたことを想いだした。
この宮殿はマリーアントワネットで有名で「ベルサイユの薔薇」で物語としてマンガが大ヒットしたから名前だけは知っているが、その内容までは知らなかった。ここの解説をヘッドホーンで聴くとアントハネットの生まれはオーストリヤの王家の娘でフランス王家との政略結婚で、もう彼女の11歳の時からフランス王家に嫁ぐことが決められていたという。その当時のオーストリヤはフランスに匹敵するぐらいの勢力を誇っていたのでヨーロッパの勢力圏を安定的に拡大、維持することのねらいだったようだ。こんなことは中世のヨーロッパでロシヤの皇帝の娘がイギリス王家に嫁いだし、日本でも天皇家と徳川家との結婚などもあったし、天皇家が中国の満州国皇帝の嫁に行ったように権力機構はどこの人間の考えることも同じであったようだ。
11歳で王妃としての教育をされて13歳でフランス王家に嫁いだというのだから、一人間としては悲劇としか僕には見えない。そんなことで何不自由なく育ったので贅沢ざんまいでなんでも欲しいものが叶えられる人間が作った城だから部屋でも1000を数え、20万点の絵画や彫刻を収集したという。生活できる部屋が700もあったというのだから一日そこらで全部み見れるものではない。
確かにアントハネットの肖像画を見ると奇麗であるからフランスの王も彼女のわがままを許したのだろう。
絵画はルーブルなどと違ってキリスト教を解釈する絵というのが少ないのが他の美術館ときわだって違うように思う。僕が注目したのは各部屋の天井絵だ。名前は忘れたがここの宮殿の専属の絵描きが何人かいたようでその人に天井の絵は描かせたようである。できるだけ沢山の天井絵を写真に収めておいた。壁とは違い毎日仰ぐ天井は住む人の理想やロマンが描かれるだろうからと思うからだ。
たしかに天を舞う子どもたちや若い娘や若い母親が子供をだいた姿が多いように思う。1600年代のフランス革命の前夜がこのような封建王制の贅沢で権威を誇ったようで、収集した絵画などを市民にも見せることで王権神授説などの実行公開の役目も果たしたのであろう。
日本でも女性が政略や商品として扱う歴史を日本の家永三郎教授などが分析していたのが室町以前は無かったというし、嫁入り婚、婿入り婚という制度ができたのは土地や財産を私有、所有する制度が発達してきた時代と一致するらしい。女性は結婚と同時に夫の家に移る嫁入り婚のもとでの妻は、夫の家の財産にたいして権利の無いみじめな存在であり、夫の妻であるよりも夫の家に嫁いだ嫁として夫の家の権威を代表するしゅうと、姑の圧力を回避することはできなかった。などの制度がまったく日本と同じであったらしいが、その殻をマリー・アントハネットが突き破ることで彼女のユニークさと人間らしさがきわだって目立つのだろう。そんな彼女もフランス革命によって処刑されたのだから、封建社会の崩壊の象徴として人々の記憶から消えないのだろう。
ナポレオンの戴冠式の絵は、たしかルーブルにもあったようだがこちらの絵が大きい幅10m×5mぐらいある絵をバックに写真を撮ってもらった。
4時間ほどの鑑賞だったので疲れで、まだたくさん残っていたが帰ることにした。
帰りの列車の中で明後日からのリヨンのホテル予約を隣の婦人にたのみ電話してもらったら、FAXで文書でしてくれとのことらしい。ホテルに帰り韓国の金柄植氏にパソコンでお願いし送信してもらった。これも夫妻と仲良くなったから快く引き受けてくれ、さすがコンピュータ技師である。
そんなわけで13日からリヨンに3日間の予約ができた。

by akinishi1122 | 2009-03-28 22:07

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