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(34)2012年8月20日 チューリヒからヘルシンキへ(34)

もう一枚欲しい夕焼秋となり  ヘルシンキは一足先に秋となりクルーズの船外では肌寒い  
チューリヒを朝7時40分発だから、BURRYの家を4時にはでなければ、2時間前に空港にはつけない。僕も気になって、1時間おきぐらいね目が覚めて待機していたら、BURRYはきっちり起きてきてくれ、4時10分に家をでた。
僕のために庭にできているリンゴを4コも持たせてくれ、コーヒーも入れてくれようとしたが、それまでしてもらうのは気の毒で辞退した。
夜明け前の道は暗い、森の中から車のライトに向かって狐や鹿、ウサギが飛び出してくるという。先日も鹿に衝突されたらしい。いずれにしてもまだ車はあまり走っていない。
昨日同じ道の高速道路を走っていたら、トラックや作業用の車が走っていないので不思議の思って尋ねたら、日曜、休日には仕事用の車は走るのを規制しているという。
われわれにしたら、それでは産業活動が止まってしまい、経済が停滞するのではないか。、と思うのだが、これが日本人僕のあさましさというのだろうか、日曜、休日は国が決めた休日だから全てが休むというのが普通です。というのである。
われわれの頭の中にはなにをおいてもまず仕事が優先に考えてしまうことの浅ましさを恥ずかしいとさえ思える瞬間であった。
人間としての潤い、個人としての幸せ、尊厳とも言えることを国が保護している国として僕にはハットさせられた。国が個々人の人間としての尊厳を守る政策というのは、国が守る姿勢をしめさねば、一企業では守れないのである。企業は競争社会であるから、個人的な善意で自分の企業だけで休めばたちまち競争に負けてしまう。この原理を知っているから、国が競争の基盤を共通にして、守って日曜、休日は仕事をしてはいけないと法で決めているのでいるのである。もちろんどうしても休日でも仕事をしなければならない職種があるのだから、それだけが仕事をしてよいという許可製というのが合理的であるとおもう。
これがルールある国家といえるのではないのだろうか。
ヨーロッパは8時間労働に法律で決めたら、それを破る企業に罰金を科す制度が一般的
で残業させることが、会社は損をするという仕組みらしい。日本の政府は残業はいくらやっても見てみぬふりを決めこんでいるのが残業の実態ではないのか。要は政府の姿勢にかかっているというのが、現実をみればすぐわかるというものである。僕はスイスに一般の働くひとたちが、なんの不思議も感じずに、むしろ日本の残業をしている、うちの会社の薫や顕の働きぶりをBURRYは不思議に思っているのである。どちらがまともな人間の考えとしてあるべき姿なのか。
 今日チューリヒから、フランクフルトで乗り継ぎでフインランドに行く飛行機に日本人の35歳という電子関係の商社員と話し駐在員がヘルシンキに仕事で行く人と合った。彼
の話によると、いままでは機械の売り込みが成功すると、2年ぐらいは安定的に仕事が続いていたのが、もういまでは売り込み成約ができても4ヶ月ぐらいでもう次の会社、しかも日本でない韓国にさらわれているという。そしてことごとく日本の製品が韓国企業にとってかわっているという。僕が「韓国は日本を真似するので成長しましたからね」といったら、彼は「日本より進んでいるのですから、もう真似とはいえないのですよ」と僕の認識がくつがえされた。「中国にはまだ勝てますがね、だがもう時間の問題でしょう」というのだ。日本の長時間労働で築きあげた、世界第2の経済国が音をたてて崩れているようにみえる。
そしていまだに労働力の切り売り、値下げに頼った体質を変えようとしてるようには僕にはみえないのだが。
ヘルシンキに着いたのは12時15分である。もうきあらと薫は家に着いたころであろうか。僕と別れてからまだ24時間がたっていないが、きあらを無事帰国させられたことにホットした気分である。家に電話したら、無事についたが、まだくわしく旅の話は聞けないでいる。それよりも薫は明日営業会議のためにさっそく準備にかかっているようだとのことだ。
ヘルシンキでホテルの近くまできたら、港の市場の青空レストランで食事している日本婦人がいたので、ここの事情を聞くために話し込んだ。彼女は広島で養護学校の教師をしていて、ツアーでホテルはとってもらうが、あとは個人に自由行動ばかりでできるという、もう40代後半だが2年前に離婚したから、自由にこの旅ができたという。婦人の場合家庭と子育て、などでやっと自分が自由になれたのが離婚してから、というのだから、人生というか、日本の女性のおかれている立場がこんなかたちであらわれるというのは、どうも日本は幸せが自分でつくれない社会、離婚してはじめて自分の願っていたことが実現できた社会というのをどのように考えたらいいのだろう。
僕も昼食を一緒にしながら考えさせる問題だった。
ホテルにおちつき、港のマーケット広場からでている島めぐりクルーズに乗る。すこし肌寒さを感じる。スイスとの温度差が10度低いと。いうから、20度ぐらいではないかと思う。港には豪華客船が2隻停泊していて、バルト海のもっとも交通の要所ということがわかる。湾の水は綺麗ではないが、島々は岩あり、森ありできれいだ。
日本婦人の親子がのっていた。茨城からこられたという。薬剤師さん、それに薬剤士の大学5年生の娘さんである。サンタクロースの発祥の地と、ムーミンの原作の地をすまされ、もう明日帰国されるという。僕に日本語のヘルシンキのガイドブックをくださった。
娘さんが英語ができるので、案内役と娘さんの好みであろう各地をまわられて、この船のレストランで夕食をとりながらの島めぐりである。僕もレストランの食事を一緒にしながら、クルーズになった。
外は少し寒いくらいだから、レストランで食事しながらで、ちょうどいい。夕日が沈むとき外にでて写真を一緒に撮る。2時間半のクルーズであった。
写真を帰国したらメールで送ってくださることになり、僕のブログも見てくださることになった。

by akinishi1122 | 2012-08-27 02:38 | 旅行

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