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元泉佐野市長と元駐レバノン大使




戦争の悲惨さ、生命の大切さを、訴え続けたい

 向 江 昇 さん
    元泉佐野市長、
   「九条の会・泉佐野」よびかけ人
憲法9条は平和外交の原点だ

 天 木 直 人 さん 
     元駐レバノン大使
     イラク戦争支持に抗議して辞職


 昭和20年8月敗戦。当時11歳、小学5年生の私は、台湾台中市にいた。2ヶ月前までは、軍港のある基隆近くの町に住んでいた。沖縄開戦の1年前は、米軍は台湾攻撃に入り、毎日、B25機の空襲で防空壕住まい。通学途中、グラマン戦闘機の機銃攻撃を受け、夢中で溝に飛び込み、九死に一生を得たが、学友数人は死亡した。
 昭和20年、父が病死。同年8月敗戦。日本に引き揚げのため、収容所へ。帰国船を待つこと6ヶ月。アメリカ貨物船で10日間、21年4月和歌山県田辺港に帰国。船中、マラリア等の病死者も続出。毛布に包み、夕暮れ船尾から海中へ。汽笛がボーッと鳴る。今でも耳に残っている。
 母の生家、羽倉崎にたどりついたが、当時の食糧不足は深刻で、母と5人の子どもでは生活ができない。口べらしのため長男の私は、父の故郷の鹿児島へ。10年間、家族と会うことがなかった。
 戦争が普通の市民にどれだけの悲惨を強いるのか、戦争体験者が少なくなっていく中で、孫子に生命の大切さと不戦を訴え続けていきたい。
         (「九条の会・泉佐野」No.1から転載)  米国のイラク攻撃は歴史に残る誤りであった。その米国のイラク攻撃を正しいと世界に公言し、平和憲法を踏みにじって自衛隊をイラクへ派遣した小泉首相に、私は異を唱えた。その結果、私は外務省を去ることになった。しかし私に悔いはない。外務省を去ってはじめて私は憲法9条の本当の尊さを知ることになったのだ。
 ブッシュ大統領の米国は戦争国家になり下がってしまった。戦争国家の唯一、最大の目的は戦争に勝つ事だ。その為にはあらゆることを犠牲にする。自由も、人権も、そして人命さえ、戦争に勝つ為に犠牲にされる。
 そんな戦争国家の米国と同盟関係を強めていく事が正しい外交であるはずがない。それは日本を米国の戦争に加担させ、安全であるはずの日本を危うくするのだ。
 戦争の惨禍を経験した我々は再びあのような過ちを繰り返さない事を決意し、紛争を解決する手段としての軍事力を永久に放棄することを世界に誓った。
 米国の軍事力が世界を対立的な方向にどんどんと進めようとしている今こそ、日本の平和憲法が世界に輝いて見えるのだ。平和憲法こそ日本が世界に誇る最大の安全保障策なのだ。
その憲法9条の精神が小泉首相の手で今まさに捨てられようとしている。政治家もこれを許そうとしている。これを国民の手で食い止める、それこそが今我々に緊急に求められている。

by akinishi1122 | 2010-06-25 12:12 | 九条の会

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