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中南米の旅

(53)2010年4月7日マナウスからサンパウロへ帰る
又来たい思う心は深けれど我の歳の行く末細し  もう一度というには歳が気になる
アマゾンの雫を伝うトカゲかな  今朝の雨には椰子の葉の屋根からトカゲがつたいくる
熊出没日本語着たるガイドかな ガイドのリンドン君のTsyatu に書いてある
ワニを獲る船を見送るサングラス  ホテルの感じのいい婦人が見送ってくれた
10時30分のホテルを出るのだが、大雨である。カッパを用意してくれてあるが、ボートがスピードを出すと体も荷持も濡れる。アマゾンの暑い太陽、それに大雨もよい体験となったから、それもよかった。
リンドン君が空港まで送り届けるまでが、僕のアマゾンの旅に入っていてよかった。船着場から45分も車で走るのだから、自分で探すのはとても困難だったと思う。
マナウス空港発4時10分丁度にでる。
隣の席にはマナウスから日本の成田に向かう18人のグループで34歳の女性がきた。なかななか話の好きな人で日本には10年前にも行ったことがあるし、今度の旅は桜を観るのがメインらしい。日本人の2世も一緒のグループにいる。東京、京都、大阪、奈良、広島をまわり、日本料理も楽しみらし。子供はいなくて、現在の夫はボーイフレンドの4番目で結婚した。とあけすけに言う。でも屈託のない気持ちのよい婦人である。持ってきているお菓子もくれた。サンパウロから、パリに行き、成田というコースという。
父の経営する商事会社に勤めている、サンパウロに着くあいだ昨日ピラニヤの釣りやワニの捕獲の写真をパソコンで見てくれながら時間を過ごすことができた。
アマゾンの観光はやはり一番の印象に残るもので、これだけの長い川おおきな密林を観るということは世界にまだまだ未開の地域や未開文明のままの生活があり、それも人間の生き方にはトータとしての蓄積があって、現在の世界があるということを理解せねばならないと気がついた。この地球はどこかの進んだ国だけで進歩したのではなく、ゆるやかな、地域の違いの文化を生みながら、ときには交流し、ときには戦い、地球を今日まで維持してきたのだなと知る。それには沢山の文化の違う国を駆け足ながらも同じ時期に観る、触れる、体験するのが、比較しながらだからよかったと思う。
文化の違いはその国の人々と同じ側にたってみて初めて分かるように思う。文化は進んでいるとか、おかしいとかという価値判断に相応しいものではないということだ。
感心して、なるほどと思ってみるもののように思えた。
その国にある生活文化はおおかた合理的になっているようだ。そしてゆるやかなスピードですこしずつ変わっていくもののようだ。
そのスピードを無理に移入していこうとすると、かならずひずみがでてくるようだ。今回の南米の旅ではアメリカ文化がみごとに地元で抵抗にあい、追い出されていきつつあるのを感じた。自分の国土の財産は自国のために使い、自国民の幸せに使うという機運がこの数年のあいだに次々に生まれてきている。けっして物質文明が進んでいるところまでは行っていないにしても、伊吹がある。ちょうど終戦後の20年くらいの日本の伊吹を感じる。それは確かに物質は豊かな便利な物はお金をだしたら、手に入るのであるが、ブラジルからの日本への出稼ぎの労働が一時はよかったが、それはあくまで15年ぐらいの短期間の経験の社会であつて、日本の経済の崩壊ともろさを日系2世、3世は体験して、もう日本へは行かない。という時代に変わってきている。いままで育ってきたブラジル社会が彼らにはなじみが深く、一生の生活はやはりブラジル社会がじぶんたちに合っていると戻っていったのである。
だから人間の生活文化は一時的にみるのでなく、自分の土地に定着しながら助々に変化が一番よいように見えてきた。
僕の通訳のリンドン君が「日本には便利なものがたくさんありますよ、だがまた日本へ行くと言う気はしない」といった言葉が全てをいいあらわした言葉であったように思う。

by akinishi1122 | 2010-05-09 21:28 | 旅行

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