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中南米の旅(18)

(18)2010年3月3日サンタマリヤ島
今日は飛行機でサンタマリヤ島に行くというので、ホテルを朝5時30分に出た。タクシーを手配してくれていたし、主人も若奥さんも起きて送りだしてくれた。ところが6時集合となっていたのに、バスが来たのは7時10分で1時間半も待たされた。結局たくさんのホテルからピックアップしてくるから、大分余裕をみて待たすのである。
今朝は少し風があったが、少し走りだして街の海岸にでた。また次のホテル前で客を待っている時間のほんの5分ほどの間に、道路に水道でも漏れているのかと思えるような水が流れてきた。バスの後ろが海岸になっていて、大きな高波が10mぐらい飛び散るのがみえだした。そして岩壁の防波堤を越しだしている、段々海水が道に増えだしてきた、みる見るうちに、我々の停車しているバスの方に海水が流れてくる、そして、海岸までの距離が100mぐらい離れているのに、防波堤の横を走っている道路が自動車が走れないぐらいに増水してきた、僕らのバスの近くに止まっている乗用車の車輪の半分ぐらいのところまでの水位にまで増水してくるではないか。道路を歩いていた人々が靴を脱いでズボンをからげて歩いてくる。そしてたちまちにして僕らのバスが完全に水の中に30センチ位つかってしまっている。高波はどんどん増してくる、津波ではないかと思う恐怖にさらされた。
その水は海水だから澄みきっている。増水が海側からどんどん侵入してくる。
海岸から300mくらいの家屋やガソリンスタンドが完全に水の中に浸ってくる、其れを最初から僕は眺めることができた。この間わずか5分ぐらいだったが、バスは客が乗り終わったからそこを後にしたが、こんなことってあるのだろうか。まさかしょっちゅうあるはずはない、道路には草木もあるし、家が立ち並んでいるのだから。
今日もローカル空港であり、飛行機は50人ぐらいのプルペラ機である。我々のバスで来た人ばかりが乗客で満席になった。9時30分に飛び立つ。
個の前もこの空港だったが、われわれの飛行機以外はないのだから、おそらく一日数便しか飛ばないのかもしれないし、プルペラ機しか飛べない大きさである。
下を見ると、やはり海岸線が白い波が続いているから、今日はやはり相当な荒れだったことがわかる。空港でも強い風だったから、これで飛ぶのだろうか、と思うぐらいだった。
空から見ると、沢山の島々の上を飛んでいることがわかる。キューバのカリブ海の南北方向にむいた海岸沿いに飛んでいる。
沢山の島々の国がキューバにあることがわかる。これでみると数千の島があるのに違いない。飛行機は50分ほどでサンタマリヤ着いた。
空港から見ると山の無いデルタ地帯に着陸である。迎えのバスで走るのにマングローブのような海水に生えているデルタ地帯に道だけ整備されている。木々は高くない。海抜数mの平地である。こんなことで津波でもきたら、全滅するのではないか。また地球温暖化で沈んでしまうのではないかと思われる。だからこんな所の住民は温暖化はもう切実な問題ではないかと思う。
ホテルまでには民家らしいのは見かけなかったから、観光のホテルだけでなりたっているのではないかと、今日みた範囲では考えられる。
二つのホテルでみんな降りてしまった。
ホテルに着くとまるで竜宮城のような作りで玄関をはいると椰子の中の庭園、そして大小のプールが4つもある。出発のハバナと違い晴天である。もうプールサイドにはたくさんの寝椅子でねそべっている。
部屋に入ったらいきなり広々とした、串本のロイヤルホテルの3倍もあろうか、それに奇麗な薄いブルーの壁、玄関室、部屋は40平方メートル、洗面所、トイレ、風呂(浴槽)があり、べッドはセミダブルが2ツもある。ソファーもついていて、ベランダも広い。
こんなホテルが社会主義の国に、よくもできたものだ。今キューバは観光客を誘致してアメリカの経済封鎖を乗り切る政策と聞いていたのが、「これだな」と実感した。
マングローブの平原にここだけのホテルだから、お客はここでくつろぐしかない。食事、飲み物、遊戯などすべて無料であるとフロントで説明された。
ここでも昨日に続いて命の洗濯ができそうだ。
昼食前に本を持ってプールサイドに出て椰子の葉の小屋で寝そべって本を読む。これもここでの普通のスタイルである。僕以外はすべて裸である。ズボンを履いている人などいない。
キューバのダンスレッスンをやっていたから、その中に僕も入って踊る。踊るのは見るものでなく、一緒に踊らねば、その心は解らないものだということがわかる。
昼食後ファッションショーがプールサイドで行われ、泳ぎながら、寝椅子のまま、レストラン、バーからでも見えるプールサイドをモデルが歩く。
辻井喬さんの、キューバ訪問記で「日本の社会主義者もいっぺんキューバに行ってバーやリゾートを体験したらどうですか、でないと社会主義のイメージといえば、襟をただして、難しい用語を使い、潔癖な人しか近寄れない、そんな感じを持たれているから、庶民が近寄りにくいのではないですか?」と書いていたが、このことだったのか、と言ったのだなと今日感じている。
隣にいた夫婦はカナダから来ていて、50歳代だが、このファッションショーが終わったら早速モデルが着ていた2・3の服を試着して買っていた。僕も夫妻と仲良くなり写真を撮りあった。奥さんはセクレタリーで、主人はマーケチングの仕事という。
僕に奥さんは連れて来ないのかと聞くから、「昔は一緒に来たものだが、4年前からは一人旅だ、だからこんなファッションショーなどは妻に見せてやりたいが今僕が写真をこのようにパチパチ撮っていると、妻と一緒だったら、許してもらえないだろう」と言ったら、「それはカナダでも一緒で僕も妻の管理下にいまいるところだ」と奥さんと一緒に大笑いだ。
夜は同じくカナダのケベックの40代夫妻と一緒にバーで飲み、語りあった。「今度旅行
するのだったら、アラスカにしたらいい。夏でもアラスカは普通の国にない特徴の美しさがあっていいから、その時は是非ケベックの私の家に来なさい」とアドレスも書いてくれた。
僕にしたら、アラスカは雪の国としてのイメージしかなかったが、知りあいもできたことだし、次にまわってみたい気持ちになった。日本は美しい国と知っているが、いずれ行ってみたい国だ、というから、「僕はリタイヤしていつでもホリデーだから来てくれることを歓迎する。だがもうこんな歳だから早く来ないと体の方が保証しないかもしれないよ」と言ったら、「貴方は僕の父より2歳も年上だが父と比べたら元気だ、だから貴方だったら、まだまだ僕の行けるようになるまでは大丈夫だ」と期待の保証までしてくれた。
このホテルで感じるのだが、ウェイトレスが僕のために次から次へ笑顔で飲物の伺いにくる。しかも笑顔であるし、僕に顔を覗くように話しかけながらである。心がこもっている。だからこの人は(僕だけにサービスしてくれるのではないか)という気持ちになってくる。だから満足の度合が違うのであるし、感謝の気持ちになってくるのは「僕だけに特別サービスしてくれている」と思うような心と態度が本当のサービスだなと気付いたことだ。お金も高いと思うがお金を気にしなくなるものだ。
これが社会主義の国で出来るのである。これも新しい発見だった。

by akinishi1122 | 2010-04-17 20:46 | 旅行

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