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フランス・スペインの旅(45)

フランス・スペインの旅(45)3月17日メリダ
旅に出てお先に春を頂けり   スペインの南部はもう春がきた
赤ぎれも進むまずにいるメリダ路 今年は赤ぎれがでかけたが温暖の差
宇宙より降って来し行きの山  メリダの連峰が麓が霧で見えない
鴨夫婦やはり一緒に着水す
草原に砂埃立つ春の昼     メリダ草原
7時40分の列車でメリダというポルトガルに近い街に行くため、朝食はとらずに、6時にホテルをでた。さすがに早朝は冷える、アトーチヤー駅発である。
駅で朝食を済ませ、長旅の出発だ。丁度5時間だから、もうすぐポルトガルの国境に近い。往復の料金は48,40ユーロだった。これは急行だから、飛行機と同じように荷物の検査がある。5輌連結だが出発の時は10%ぐらいの乗車率だったか、段々駅が進むに従って増えてきて、70%ぐらいになったが、ついに日本人はこなかった。メリダに降りたときは、僕の車両には5人ぐらいしか残っていなかったから、長時間距離だったということだ。
ここに来たのは、紀元前25年にローマ帝国の属州として、トレド、リスボンなどの「銀の道」として栄えたというから、古い時代の円形劇場があり、ローマであった文化が持ち込まれているというから、少々遠くても来てみたくなった。
ところが、着いた時間が12時43分、帰りの列車が3時00丁度だから、滞在はほんの2時間しかない。それに、この街を調べるための本が、リックに入れたつもりなのだが無いのである。どこに忘れたのだろう。
街を歩くにしても、案内地図は駅に無いという。だから、タクシーに「2時間しかないが、名所を回るにはいくらかかる?」と相談したら、「メーターで走るから、金額はだせないから、乗りなさい」ということになった。タクシーについては、僕は騙されることが多いから心配だが、乗るしかない、まあ2時間で40か50ユーロは覚悟せねばならないか、と腹をくくった。
なるほど、丁度ローマの遺跡と同じ石の柱やゴジックの彫刻などで、そのままローマのその物の感じである。
また昨日観た水道石橋も同じようにかかっている。しかしここのは、だいぶ風化していて、もう使用には耐えられない状態である。
川の辺から、ローマ橋を眺めていると魚を釣っている人がいたにで、のぞいてみたら、わざわざビクの網を引き揚げて魚を見せてくれた。50㌢ぐらいの鯉である。全く日本の鯉と同じく、口髭があるのだから、海でつながっているわけでないのに、同じ魚がいるということの不思議さに驚く。鯉とその人と一緒に写真に撮る。
日本人の女性に合ったので、タクシーで回っているから、乗らないかと誘ったら、白人の男性と一緒らしいから、止めたが、こんな遠隔地に来るということは、結婚しているのかもしれない。
1時間ほどまわって、駅まで送りとどけてくれた。このドライバーはなかなか良心的で、「これでこの町の名所はすべて終わりだ」と降ろしてくれた。僕にしたら、2時間あるから、と言ったから、ぎりぎりまではしり、高い料金をとられるのではないか、と少々騙されてもしかたないか、と思っていたから、この運転手には感激した。16ユーロだった。
おお服で10時間もあったので、百合子の「二つの庭」を読み終えた。中島健蔵氏の解説によると、「百合子は楽観的であった。これは誤解されやすいことだが、自分の生涯についても、社会の未来についても、先が明るくなるという確信を持っているところから来る楽観である」「軍国主義に反対しながら、それを明らさまに口にださず、あたりに警戒しながら、暗黙のうちに同類と認めあうというのが、このころの特徴であった。同類と認めあうような態度の裏には、実は相手にたいする不信がある。これで、彼女は清潔だったから、奇蹟というほかあるまい」と述べている。
ホテルに帰ったのは9時を過ぎていて、東北大学院のS君を誘いビールを飲む。

by akinishi1122 | 2009-04-09 15:17 | 旅行

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