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フランス・スペインの旅()

フランス・スペインの旅(12)2月12日 ロワール地方
ロワール地方に行くために昨日作ってもらったプランの駅に着いた。余裕をもって明日のニース行きのTGVの予約もせねばならないと1時間前である。そしてキップ売場で座席の指定を頼んだ。すると「あなたの行くTOURS駅へはここの駅よりもモンパルナス駅からが直通で行けるから今からだと間に合うからそちらにしたらどうですか?」というのだ。
「そこに行くにはメトロは無いからバスにしなさい」と言って僕が困惑していたら、「私に付いてきなさい」と言って窓口を閉め事務所から出て、さっさっと歩きだすのである。なんと親切な駅員さんなのだろう。果たして日本ではこんな駅の事務員さんがいるだろうか?バス停まで300mぐらいも歩いてくれた。大感激である。僕は深〃と頭を下げ、日本式のありったけの感謝の気持ちを表した。僕の便利なように、しかも仕事を中断して僕のためにバス停まで案内してくれるこの中年の丸々ふとった女性の顔が忘れられない。
そんなわけでバスでモンタルナス駅に着いた。そこで座席の指定をとるために窓口に並んでいたら日本人青年がいた。神戸外大を今年卒業し初めての海外旅行だという。行く先は僕が先日行ったオーレリアンというから一緒の方向だし、同じ席にした。彼は三井住友信託銀行に決まったらしく。2週間のフランスらしい。就職の門出にお祝いの励ましの言葉の積もりで今の社会は激動の時代で銀行たりとも容易ならざる時代だし、あなたの会社は一流だがそこにはそれなりの先輩がやはり名門の大学を出ているから、自分の予想していたことと違う厳しさに直面するだろうが、その時新人は自分に失望することがあるから、自分の価値を発見することを勧める。それは「人と自分を比較しないことだ、自分しか持っていない個性を今からメモに書き留め絶対に他人には見せない自分を2000書き出してみよう、すると自分の個性が発見できるものだ、それをあなたの尊厳としていつも心に持ち、自信になる、僕も沢山の新入社員を見てきたが、後々素晴らしい活躍する人は残らず個性を持った人である。会社でも自分の個性を貫く人が結局頼りになるものだ。だから、人生の先輩として、参考にして生きてください」などと話した。すると途中でノートをとりだしメモをとってくれた。
「いままでそんな話大学でも聞いたことありません、今後なにかあったら教えてもらっていいですか?」とまで言ってくれた。僕も日頃考えていることを楽しみながら話でき楽しいひとときを過ごすことができた。
彼と別れてロワールの終点駅についた。ロワール川はフランスで一番長い川で1000キロ以上を流れて大西洋にいくらしい。だから列車から眺める川が気持ちよく泥川であるが豊かな気分になる。この川の泥色は雨ばかりのせいではないだろう。パリでも澄んだ水の川をみたことがない。ロワール地方にはこの川沿いにたくさんの城があるらしいが、それが集中していないために全部みるには半月もかかるらしいから、列車にうつる景色の城だけになった。
終点のTOURS駅からロワール川にでて、遙かにみえる城をみた。街にある教会も古く、13世紀から16世紀にかけた300年間で建設された教会である。日本ではまだ室町時代に入っていないのに高さ30mもある石でできた教会が鉄骨やコンクチートの無い時代によくもできたものだし、300年間同じ理念で工事が続けられたことがもっと素晴らしい文化だ。
冬の旅今日で最後のパリとなり
この句をサン・ガデアン大聖堂の記帳簿に記帳しておいた
市庁舎の前の賑やかな通りに大きな二つの噴水があり
噴水の勢いながら凍てにけり
ここの駅で明日のニース行きの指定席を予約することができた。帰りの列車はTGVであったから1時間でパリにつき夕食は韓国人夫妻とホテルの管理の婦人と雑談しながらみんなでビールを飲む。今日は韓国のビールを夫妻が買ってきてくれていた。ここの管理人婦人はここの奥さんとばかり思っていたが韓国と中国人とのハーフだと自己紹介してくれた。52歳というが若く美しいし、韓国料理が大変うまい。彼女ともいっしょに写真におさまった。
雲落つる畑の果てやパリの冬
フランスを走る列車は畑の中を走る。そして雲が遠くで畑まで落ちているか吸い込まれているように果ての果てまで見渡しながらの列車である。





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by akinishi1122 | 2009-03-28 22:13 | 旅行

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